2022年6月26日 私たちを強くしたもう神に栄光を ローマ16:26~27

2202年6月26日 私たちを強くしたもう神に栄光を ローマ16:26~27

あなたがたを強くすることができる方、知恵に富む唯一の神に、イエス・キリストによって、栄光がとこしえまで
ありますように。アーメン。 ローマ16:26~27(25~27)

 《神に栄光を》今日のこの個所が〔〕でくくられているのは、有力な写本に欠けているためだが
記されている内容や文章上から、この手紙にふさわしい結びであることは誰もが認めている。
ただ、この3節はパウロの思いを一つに詰めたような文章で、原文では「あなたがたを強くすることが
できる方」が冒頭にあり、結びが「知恵に富む唯一の神に・・・栄光がとこしえまでありますように。アーメン。」
となっている。
パウロは、自分を福音の宣教者として選ばれた使徒と紹介し、福音を「ユダヤ人をはじめギリシア人にも
信じるすべての人に救いをもたらす神の力です。」(1:16)と言って書き始め、「あなたがたを強くする
ことができる方、知恵に富む唯一の神に、イエス・キリストによって、栄光が」と記して、この福音を紹介した
手紙を結んでいる。
神の救いの御業やそのみ心に思いを向ければ、キリスト者なら誰もが「神に栄光を」と賛美せざるを得ない。
神をほめたたえる気持ちが湧かないとすれば、自分が周囲の人からの評価に拘り自分の栄光を求めているか
自分の苦境に目がふさがれて神のあわれみの御手が見えなくなった時である。
パウロのここの言葉から、神の栄光を賛美することを改めて学ぼう。
「あなたがたは、食べるにも飲むにも、何をするにも、すべて神の栄光を現すためにしなさい。」(Ⅰコリント10:31)
とあるように、私たちは神をほめたたえるために生かされているのだから。
 《あなたがたを強くすることができる神》パウロが賛美する神は、私たちを罪と滅びから救出し、あわれみを注いで励まし
一緒におられて助け、生きる喜びや希望を与えて「強くしてくださる方」である。
この手紙を書き終わる時、パウロは改めて自分をそのように扱ってくださった神を思い返し、賛美せざるを得なかった。
自分が、神をどのような方として呼ぶかによって、私たちの祈りや行動は違ってくる。アブラハムは
「アドナイ・イルエ」(創世記22:14)、「備えてくださる神」と呼んでその生涯を神に従って歩み続けた。
ダビデは「主は私の羊飼い」(詩篇23:1)と歌い、信頼した。
パウロの神は、「強くすることのできる神」であり、どのような困難に遭遇しようとも、圧倒的な勝利者と
ならせてくださる方であった(8:35~39)。
そればかりか、強くされた者がその受けた「御霊の賜物をいくらかでも分け与えて、あなたがたを強くしたい」(1:11)
と言える、人を力づけてくださる神である。
私たちにとってもそうである。
 《知恵に富む神》パウロはこの手紙を書きながら、神の奥義は何と深遠で壮大なものであり、あわれみに満ちたもので
あることか、と幾度となく思わせられたことであろう。
人間は、神に似たもの、神のかたちに創造され、神との親密な交わりを与えられていたにもかかわらず
神に背いて罪に走ってしまった。
しかし、そんな人間を、神は見捨てずにメシヤの約束を与えてくださった。
そして、ご自分の独り子のいのちを犠牲になさって救いの道を設け、神を知らない異邦人をも
ただ信じるだけで救おうと招いてくださった。
キリストに逆らっていたパウロ自身もその救いに与った。それだけに終わらず、「異邦人に信仰の従順を
もたらすため」(26節)の福音の使徒として召され、今、ローマのキリスト者たちに手紙を書いている。
情けないほど罪に弱い私たちをも、キリストのものとして、神の愛で守ってくださっている。
人の思いをはるかに越えた神の愛と知恵の不思議さを、私たちもパウロと一緒に賛美する。
神が、「天が地よりも高いように、わたしの道は、あなたがたの道よりも高く、わたしの思いは
あなたがたの思いよりも高い。」(イザヤ55:9)と言われた通りと賛美せざるを得ない。
 《私の福音》パウロは、自分を「神の福音のために選び出され、使徒として召された」(1:1)者と
紹介したが、ここでは、福音を「私の福音」と呼んでいる。
彼は、この福音によって救われ、今生かされ強くされていると喜んで、そう言えたのである。
また、この福音によってしか、自分は生きられない、といつも言っていたので、「私の福音」と
呼んだのであろう。私たちキリスト者も、彼に倣い、キリストの福音を「私の福音」と
実感を込めて呼び、周囲の方々にその素晴らしさを証しする者でありたい。
「私が福音を宣べ伝えても、私の誇りにはなりません。
そうせずにはいられないのです。」(Ⅰコリント9:16)。

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